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──────────────────────── 2004年 8月24日  第17号
┌──────┐┌┐
│ ┌──┐ │└┘  ミ シ ン の 『 そうだったのか! 』
└┬┘  │ │        〜 ミシンの嘘・ホント、それって常識?!
─────┴─┴────────────────────────────
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▼ 目次
    ●ごあいさつ
    ●大は小を兼ねる

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 ■ごあいさつ
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  いつもご愛読いただいているみなさん、こんにちは!
  そして今回からお読みいただいているみなさん、はじめまして!
  島田ミシン商会の嶋田栄司です。

  数あるメルマガの中から選んでいただき、ありがとうございます。
  今後ともご愛読をお願いします。

  このメールマガジンは、
   これからミシンを購入したい、
   ミシンのことをもっと知りたい、
   もっと上手に使いこなしたい…

  そんなホームユーザーのあなたが、誤った知識で後悔しないように、
  ミシンの嘘・ホントの解明を通して、ミシンの常識や活用のヒントをお伝
  えしていきます。

  このメールマガジンが何かの役に立って、今まで以上にホームソーイング
  を楽しんでいただけたら最高です。
  気に入っていただけましたら、お知り合いに転送してすすめてくださいね。

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 ■ 大は小を兼ねる
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  「薄物から厚物まで何でも縫えて……」というのは、誰もが願う希望です。

  だいたい、薄物しか縫わないとか、最初からわかっている人は少ないでしょ
  う。ご家庭で使うのですから、汎用性が欲しいのは当然です。

  いきなりですが、ここで質問です。
  1台のミシンを何でも縫えるようにするには、どうしたらよいでしょうか?
  ちょっと考えてみてください。

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  どんな回答が浮かびましたか?

  答えは意外に単純です。
  「厚地が縫えるミシンにする」ことです。

  なんじゃそりゃ?、てな話ですよね。どうしてかを説明します。


  「縫えない」ことを実感しやすいのは、なんだかんだ言っても厚物です。
  「厚物になると進まなくなった」とか、「糸が締まらない」とか、これはダ
  メだとわかりやすい現象があるからです。

  メーカーも送り歯を増やしたとか、わかりやすそうな訴求ポイントを設けま
  す。できそうにないことができる、というのは大きな長所になるからです。
  TVCMで見るようなコンパクトミシンでもそうですよね。「厚地もすいすい縫
  えます」みたいな。

  各メーカーとも、可縫い範囲を広げるために、厚地が縫えるようにするわけ
  です。


  とはいえ、厚地が縫えるミシンにすれば、なぜ何でも縫えることになるんで
  しょう?

  ようするに、薄地は生地を送る力が弱くても、糸を締める力が弱くても、
  「とりあえず」縫えるからです。

  ●何でも縫えるようにするためには、厚地が縫えるようにする
  ●薄地は糸調子を弱くすればいい
  ●縫い品質は別問題!

  「大は小を兼ねる」ようにミシンを作ればよい、ということになるわけです。


  ですから、厚地はいいんだけど、薄地がキレイじゃなかった、なんてことが
  あるわけです。そう実感している方も、結構いらっしゃるんじゃないでしょ
  うか?

  本当は、薄地の方がミシンとしてはたいへんなんです。
  これは機械としての話で、繊細なレベルを要求されるということです。


  糸調子一つを取ってもよくわかります。

  2枚の生地の厚みの中で、2本の糸が結ばれなければなりません。生地に厚み
  があれば、少々バランスが悪かったとしても目立ちません。しかし、生地が
  薄ければちょっとバランスが悪いだけでも糸調子が今ひとつに見えます。

  使う糸を少なくする(少しきつめの糸調子にすると言うこと)とやりやすく
  なりますが、柔らかいので今度は縫いシワができやすくなります。

  いくらティッシュが縫えたところで、紙と布は違いますし、ティッシュで服
  なんか作りませんからね。

  しかも薄地には高級品志向で難素材も多い。ミシンに合わせて繊維素材を作っ
  てくれるのではなく、ミシンが合わさなければなりません。日進月歩で次々
  に開発される繊維素材の後をミシンは追い続けるだけです。

  ミシンメーカーが繊維メーカーに、このミシンに合わせた素材を作ってくれ
  と言ったところで、現実的ではないでしょう。それぞれ、一社が独占してい
  る市場なら可能かもしれませんが。


  そもそも、薄地と厚地では、ミシンに求められることが全然違ってきます。

    ┌─────┬─────┬─────┐
    │     │  厚地  │  薄地  │
    ├─────┼─────┼─────┤
    │貫通力  │  大  │  小  │
    ├─────┼─────┼─────┤
    │送り力  │  大  │  小  │
    ├─────┼─────┼─────┤
    │糸締まり力│  大  │  小  │
    ├─────┼─────┼─────┤
    │糸    │  太い  │  細い  │
    └─────┴─────┴─────┘

  まったく逆の方向にある内容を、せいぜい糸調子と押え圧ぐらいの調整方法
  で、1台のミシンでやろうというのです。ちょっと無理があるのが本当では
  ないでしょうか?

  そもそも、厚地から薄地まで1台の同じ設定のミシンでは、どれも100点が取
  れない状態になります。万能薬としての風邪薬があまり効かないと言われる
  のと同じです。だからこそ、同じ外観でも、工業用ミシンは薄地用、普通地
  用、厚地用に分かれているのです。

  また、どの程度の品質レベルで合格とするか、その評価は個人個人で違うで
  しょう。縫いやすいかどうかの評価も、ユーザーが作るもの次第と言えます。

  厚地の縫い能力に欠けるミシンであっても、薄地や普通地中心の人には「縫
  いやすいミシン」となり、厚地中心の人には「使いものにならないミシン」
  となるわけです。


  そうは言っても、個人のホームユーザーが「これは厚地用、これは薄地用」
  と何台も持つことは現実的ではありません。

  ですから、自分が使っている(これから使う)ミシンの特性を知り、どうす
  れば縫いにくいものでも合格点(満点ではない)にできるのかを探し、現実
  的な範囲で対応していくことが重要なのです。あれもこれも縫えるミシンを
  探すよりもずっとメリットがあります。

  だって、ミシンが変わっても、身につけて知識や技術はそのまま持っていけ
  るでしょう?


  うまく縫えないものがあって、ミシンの責任にすることは簡単です。また、
  そういう方を、多くの販売店やメーカーはミシンが売れるチャンスと狙って
  います。最初から何でも縫えないミシンを、安い商品を作るためだけに作っ
  ているとも言えます。

  もっといいミシンを作れ、何でも縫えるミシンを作れと要望することも大切
  です。しかし、相手のことを知らないまま訴えても、馬の耳に念仏です。
  「そんなこと言っても、ミシンはそうはいかないんですよ…」
  メーカーのぼやきだけが聞こえてきます。
  とはいえ、それを説明してこなかったミシンメーカーや販売店にも原因があ
  ります。

  今あるものを評価し、それをふまえた上で次のステップへ進めていく。
  ただの供給者、消費者ではなく、みんなで変えていく時が来ています。



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ミ シ ン の 『 そうだったのか! 』
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編┃集┃後┃記┃
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  アテネオリンピックでの金メダルラッシュ、すごいですね!
  これだけ取れるとは思っていませんでした。

  みなさんすごいんですけど、卓球の福原愛選手には特にビックリしました。
  試合後のコメントが素晴らしいんですよね。

  「どうして緊張せずにできたんですか?」
  「私は1回、死んだからです」
  こんなことを言ってた思うんですけど、
  みなさんに言えることですが、自己分析と物事の捉え方が卓越しているとい
  うか…

  小さな時からTVで見てましたからね。
  昔は「親に無理矢理やらされとんやないか」と、思ってたんですが、
  「ボクなんかより、よっぽど大人やん!!」と(汗)


  そんなボクも、ずっと自分探しをしています。
  自分が何を、どうしたいのか。
  その基になるものを、最近になってやっと見つけました。

  いままでは、目の前に霧が広がっている状況をもたもたと歩いて来ましたが、
  光がさしたような気分です。

  もう一度原点に帰って決着を付けたら、次のステップに向かおうと思います。

  このメルマガも創刊から1年が経ちました。
  当初想定していた、このメルマガの目的も、あと数回で終われそうです。
  予定は未定なので、その後どうするかはまだ考えていませんが…。


  今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
  次回は9月28日の発行予定です。それではまた。
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