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  4. ミシンの『そうだったのか!』第10号
──────────────────────── 2004年 2月 3日  第10号
┌──────┐┌┐
│ ┌──┐ │└┘  ミ シ ン の 『 そうだったのか! 』
└┬┘  │ │        〜 ミシンの嘘・ホント、それって常識?!
─────┴─┴────────────────────────────
                  ◎本メルマガは等幅フォントが最適です

▼ 目次
    ●ごあいさつ
    ●同じメーカーで機能差がみられないのに… その2
    ●読者さんからのお便り

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 ■ごあいさつ
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  いつもご愛読いただいているみなさん、こんにちは!
  そして今回からお読みいただいているみなさん、はじめまして!
  販売価格の総額表示で、また仕事が増えてしまった
  島田ミシン商会の嶋田栄司です。
  数あるメルマガの中から選んでいただき、ありがとうございます。
  今後ともご愛読をお願いします。

  このメールマガジンは、
   これからミシンを購入したい、
   ミシンのことをもっと知りたい、
   もっと上手に使いこなしたい…

  そんなホームユーザーのあなたが、誤った知識で後悔しないように、
  ミシンの嘘・ホントの解明を通して、ミシンの常識や活用のヒントをお伝
  えしていきます。

  このメールマガジンが何かの役に立って、今まで以上にホームソーイング
  を楽しんでいただけたら最高です。
  気に入っていただけましたら、お知り合いに転送してすすめてくださいね。

  ▼バックナンバーはこちら
  http://www.shimada-mishin.com/mailmag/backnum.html

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 ■ 同じメーカーで機能差がみられないのに… その2
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  前回、オリジナルミシンの存在と、ミシンの比較が結構面倒なことに触れま
  した。

  比較してもらうことで選んでもらえるオリジナルミシンは少なく、むしろ比
  較をできなくして、流通ルートだけで分けられているミシンも多く存在しま
  す。これらをひとつひとつ調べてもなかなか分かりません。単純に、「その
  ミシンに対価に見合うだけの価値があるかどうか」、「その販売店が信じら
  れるかどうか」を考えるのが早道です。

  一応、ミシンメーカーとして名が通っていれば(すでにブランド価値を失っ
  ているメーカーもありますが)、一部訪問販売系のように「無駄に高く買わ
  される」ことはあっても、手元の商品までボロボロということは避けられま
  す。

  オリジナルミシンを利用した、あまり好ましくない商法については、下記
  URLのページなどを、参考にしてみてください。

    ▼ ミシンの迷信
    http://homepage2.nifty.com/mamba/


  さてさて、昨年、JUKI(株)は、相次いでコンピューターミシンの新製品を
  発売しました。HZL-T470と、HZL-e60です。JUKI(株)のサイトでカタログ
  が見られます。

    ▼ JUKI(株) HZL-T470
    http://www.juki.co.jp/home/dairi/hzlt470.html
    ▼ JUKI(株) HZL-e60
    http://www.juki.co.jp/home/dairi/hzle60.html

  ちょっとカタログに書いてあることを元に、主な機能や、違いを抜き出して
  みましょう。

  ┌──────────────────────┬────┬────┐
  │  機能/機種名               │HZL-T470│HZL-e60│
  ├──────────────────────┼────┼────┤
  │1.自動糸調子機能             │  ○  │  ○  │
  ├──────────────────────┼────┼────┤
  │2.自動ボタンホール機能          │  ○  │  ○  │
  ├──────────────────────┼────┼────┤
  │3.自動糸切り機能             │  ○  │  ×  │
  ├──────────────────────┼────┼────┤
  │4.送り歯ドロップフィード        │  ×  │  ○  │
  ├──────────────────────┼────┼────┤
  │5.押え金水平機構             │  ×  │  ○  │
  ├──────────────────────┼────┼────┤
  │6.送り歯枚数               │ 4枚 │ 5枚 │
  ├──────────────────────┼────┼────┤
  │7.縫い目パターン数            │ 18種 │ 20種 │
  ├──────────────────────┼────┼────┤
  │8.押え上昇量               │ 11mm │ 12mm │
  ├──────────────────────┼────┼────┤
  │9.重量                  │ 8.5kg │ 7.3kg │
  ├──────────────────────┼────┼────┤
  │10.メーカー希望小売価格(税込み・円)   │155,000 │108,000│
  └──────────────────────┴────┴────┘


  な〜んかおかしくありませんか?

  価格が安いHZL-e60のほうが、縫い目パターン数も送り歯の枚数も、押え上
  昇量も多い(大きい)。普通に考えたら逆じゃないかと。

  これが逆だったり(価格が高いものが機能も多い)、HZL-T470の発売時期が
  数年早いなら、分からなくもありません。

  しかし、発売こそHZL-e60は数ヶ月遅れましたが、発表はほぼ同時期でした。

  糸切り機能の有無で差があるとしても、そこまでの価格差を生むかと言えば
  疑問です。それに、糸切り機能が体験しないと便利さが伝わらないことから
  見ても、このカタログだけなら(外観の好みは別にして)、HZL-e60がお得
  に見えちゃうんじゃないでしょうか?


  やっぱり、HZL-T470は初心者には無くてもいい機能に思える自動糸切りが付
  いているから高くなっているんでしょうか?

  ところが、それは一要素にすぎないんです。


  「重量」をみてください。1.2kgも違います。
  ここに重要な比較ポイントが隠されています。

  糸切り部品など、機能が増えていることで重量が変わる部分はあるでしょう。
  しかし、それでも1kg以上も差が付くことはありません。

  一番の差を付けているのは、鋳物のベースボディの体積なんです。


  ベースボディはミシンの核になり、設計の基本になる部分です。製造コスト
  にも大きく影響します。ユーザーにとっても、ミシンの重量は振動の影響な
  ど、縫いやすさにもつながりますから重要なポイントです。

  ミシンは重いほうがいいと言ったって、それは経験がある方や、縫製機械と
  してのミシンに対して近いが深い方でなければ思いつかない事でしょう。
  たま〜に押入からだして使う程度の方にとっては「軽く、小さく、安いもの」
  が喜ばれもします。

  時流で製造コストを下げる必要もありますから、新しいベースボディを作る
  たびに、ボディの体積が小さくなっている傾向さえあります。

  開発設計の基礎になり、製造コストもかかりますから、一度作ったボディを
  使い回します。内部部品や外装が変わりながら、新製品として発売するわけ
  です。フルモデルチェンジだマイナーチェンジだと、車と似ているかもしれ
  ませんね。


  さて、HZL-e60の前身は、2001年発売のアティレ HZL-e30です。このときに
  新規に作ったボディです。
  しかも、その開発意図は「お求めになりやすい価格帯のミシンを作ること」
  にありました。

  各時代で同じようなことを考えて作っているんですが、更に安く作れる→安
  く販売できるように開発設計するんです。

  何年も前からあるベースボディを使うことで、その年数経過で値段を下げる
  ことができたHZL-T470と、最初から安く販売できるように作られたHZL-e60
  では、自ずとその開発意図がミシンの内容にも現れてくるわけです。

  ブラザーさんのイノヴィスシリーズなんかは、そのことを如実に表している
  とも言えます。(ブラザーさんのイノヴィスシリーズは、完全樹脂ボディに
  することで、多機能ながら低価格なミシンに仕上げています)

  必要十分な機能の充実を言えば、HZL-e60で十分、縫製機械としてのミシン
  の使いやすさや丈夫さを重視するならHZL-T470、と言った感じで、それぞれ
  に意味を持っているのです。


  もちろん価格を上下させる要素は、機能の有無や利益の乗せ具合(最終的な
  商品価値)などいろいろあるわけで、製造原価が全てではありません。お店
  の思惑もありますし、価格設定は、そう単純に計れるものではありません。

  機能に目を奪われ、それだけで商品比較しようとしますが、違う目線でミシ
  ンを見ると、選び方も変わってくるのではないでしょうか?
  今すぐ新しいミシンを購入するわけではなくても、カタログ資料は数年分、
  持っておくのも悪くないかもしれませんね。

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 ■読者さんからのお便り
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  質問も含めて、たくさんのメールをいただいています。
  どうもありがとうございます。

  このコーナーでは、読者の皆様から寄せられたメルマガの感想を中心にご紹
  介します。全てのメールは紹介できませんが、共感していただけたことや、
  私の意見に対する補足意見など、いろいろ取り上げていきます。


  > 「オリジナル」・・・ありますね〜
  > ミシンに限らず電気製品全般でも、以前冷蔵庫を購入した時によく見かけ
  > ました。確かに、オリジナルと言われれば比較しようがないですね〜。
  > 以前勤めていた着物屋でも「当社オリジナル着物!」が売りでしたけど、
  > それは逆にお客様に比較してもらうためでした・・・いろいろ使いかたが
  > ありますね〜と、言うか着物の場合は同じものがたくさん出回ると嫌が
  > られるものですから差別化するための『オリジナル」って事でしょうけど。
  > ミシンもそうなのかな?よくわかりませんが・・・


  オリジナル商品の開発には、いろいろな意図があると思うんですけど、普通
  は「差別化」がありますよね。比較してもらって、違いを実感してもらうと
  いう。

  ミシンにも、そのような意図で作っている商品もあります。
  例えばHZL-e30が出た頃に、ある販売店だけがオリジナルを持っていました。
  縫い目パターンを増やして、ボタンホールを自動にしていました。

  こんなケースは明らかにオリジナルが良くって、取扱ができない他の販売店
  は、似た価格で別の商品を何かしら提案せざる得ません。

  また、クライ・ムキさんのオリジナルミシンのように、独自のコンセプトで
  作られてるミシンもあります。クライさんのブランド名だけで売られている
  ようにも言われますが、部品選択なり機能なり、組み合わせにはこだわりが
  見て取れます。

  今回のお話ではありませんが、ベースボディが同じミシンはごろごろあるわ
  けで、「○○と一緒だよ」、という言い方もできるわけですが、全く同じ物
  はやっぱり無いわけで、ようは価格に見合う価値があると感じるかどうか、
  だと思います。

  いずれにせよ、オリジナルが悪いわけでもなく、どのように販売するのか、
  販売店の問題かもしれませんね。


  こうしてご感想がいただけるのは、すっごく嬉しいです。
  気楽にメールくださいね。
  これからもどうぞ、よろしくお願いします!

  ◆ご意見・ご質問・体験談など、どんな些細なことでもかまいませんので、
   メールをください。おもしろいと思ったものは、このメルマガでご紹介し
   たいと思います。
   → mag@shimada-mishin.com

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ミ シ ン の 『 そうだったのか! 』
 〜 ミシンの嘘・ホント、それって常識?!

【発行者】島田ミシン商会 嶋田栄司
【WEBサイト】島田ミシン商会 http://www.shimada-mishin.com/
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編┃集┃後┃記┃
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  レンタルになっていたんで、早速観ました→「英雄〜HERO」

  TVCMで気になってて、ぜひ映画館で観たかったんですが、
  気が付いたら、これまた終わっていたという…
  こんなんばっかりです、ほんまに。

  で、感想。

  久々のヒットです。めちゃよかったです。
  そこまで期待してなかったんですが、約1時間半、かなり引きつけられまし
  た。

  映像というか、色彩というか、とにかくキレイで。
  ワイヤーアクション満載も、あのストーリーなら納得というか。

  それと色彩にも大きく影響している衣装。
  ワダエミさん、スゴイとしかいえません。
  うまく表現できないんですが、
  「布」って空気を感じさせてくれる存在なんだ、って勝手に感じました。

  音楽も効果的に使われてるし、おすすめの一作です。


  さて、消費税の総額表示に関わるサイトとショッピングカートのプログラム
  の書き換え、青色申告と宿題山盛りです。
  ときどき逃避したくなります(苦笑)

  そんなわけで、3月はメルマガの発行をお休みさせていただくかもしれませ
  ん。お許しくださいませ。

  そうそう、ウィルスも流行っていますのでご注意くださいね。

  今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
  次回は2月25日の発行予定です。ではでは。
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