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  4. ミシンの『そうだったのか!』第5号
──────────────────────── 2003年10月28日  第5号
┌──────┐┌┐
│ ┌──┐ │└┘  ミ シ ン の 『 そうだったのか! 』
└┬┘  │ │        〜 ミシンの嘘・ホント、それって常識?!
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                  ◎本メルマガは等幅フォントが最適です

▼ 目次
    ●ごあいさつ
    ●ミシンを買い換えればホントに解決するの?
    ●読者さんからのお便り

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 ■ごあいさつ
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  こんにちは。島田ミシン商会の嶋田栄司です。
  そして今回からお読みいただいているみなさん、はじめまして。
  数あるメルマガの中から選んでいただき、ありがとうございます。

  このメールマガジンは、
   これからミシンを購入したい、
   ミシンのことをもっと知りたい、
   もっと上手に使いこなしたい…

  そんなホームユーザーのあなたが、誤った知識で後悔しないように、
  ミシンの嘘・ホントの解明を通して、ミシンの常識や活用のヒントをお伝
  えしていきます。

  このメールマガジンが何かの役に立って、今まで以上にホームソーイング
  を楽しんでいただけたら最高です。
  気に入っていただけましたら、お知り合いに転送してすすめてくださいね。

  ▼バックナンバーはこちら
  http://www.shimada-mishin.com/mailmag/backnum.html

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 ■ ミシンを買い換えればホントに解決するの?
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  前回のメルマガでは、革縫い用のミシンを例えに、工業用ミシンと職業用、
  家庭用ミシンの違いについて触れました。

  ▼前号のバックナンバーはこちら
  http://www.shimada-mishin.com/mailmag/backnum/20031014.html

  もちろん、「家庭用ミシンで革なんて縫おうと思うな! 工業用を買え!」
  なんて話をしているわけじゃありません(笑)
  自分の求めているレベルがどの程度なのかを客観的に知り、その内容に合っ
  たミシンを購入することの重要性に気付いてもらいたかったんです。

  確かに工業用ミシンは業務用とも言われ、大量生産が必要な既製品の製造に
  使う機械ですから、「仕事に使うミシン」に間違いありません。そして、そ
  れぞれの縫い方に特化した「専門性の高いミシン」でもあります。

    ※「ミシン」の語源は「マシーン(機械)」です。
     英語だと「sewing machine(ソーイングマシーン)」です。

  外見は同じように見えても、実は布や糸、縫う箇所に応じて細かく部品が違っ
  ていたります。ひとつ、例を挙げましょう。


  工業用ミシン針として一番使用頻度が高いのは「DB×1」という型番の針で
  す。オルガン社製だと、一番細いのは7番(針幹の太さが0.55mm)から、一
  番太い25番(針幹の太さが2mm)まであるんですが、18番から下の針と19番
  から上の針では、「針軸」の太さが違います。

    ※針をネジで止める位置にあたるのが「針軸」です。「針幹」というの
     は、実際に布に刺さっていく部分です。

  「針幹」が「針軸」よりも太くなっていくのですから、当然といえば当然で
  す。「針軸」の太さが違うんですから、薄物・普通地用のミシンには19番の
  針は取り付けできません。反対に厚物用のミシンに細い針を付けると、針を
  きちんと固定することができません(穴の大きさにピッタリではないので、
  まっすぐ取り付けられない)。

  ミシンの外見だけでは、簡単にこの違いが判断できません。

  工業用ミシンを譲ってもらったので、革を縫うからと、21番ぐらいの太い針
  を買って帰ったが取り付けられなかった、なんて事も珍しくありません。
  (このミシンは「普通地厚用」でした)

  工業用ミシンなら何でも縫える、というのは、1台のミシンを同じ設定で何
  でも縫えるという意味ではないんです。最低限、薄地用と普通地用、厚地用、
  極厚地用と存在することは知っておいてください。


  話がそれちゃいましたので、元に戻しましょう。


  素材に対する専門性を持たせ、使い分けをする工業用ミシンに対して、家庭
  用ミシンは、せいぜい一家に一台です。1台でアレコレ縫える汎用性が求め
  られるとともに、安全かつ手軽に使えなくてはいけません。

  できる限り「縫製の難しい側面」を隠して、わずらわしさを目立たなくする
  必要があるのです。その最たる物が、「自動糸調子」なり「糸通しの簡略化」
  などの便利機能なのです。

  ようするに、「難しいなんて言ったら売れなくなる」んです(泣)
  「ほーら、こんなに簡単になったんですよ!(笑)」て、感じに広告しない
  と売れません。

  よく「職業用ミシンはモーターパワーが違う」と言われますよね。それで、
  家庭用ミシンに職業用ミシンのモーターを付けたとします。
  職業用ミシンのモーターは、家庭用ミシンモーターの倍の速度が出ますから、
  これで早く縫えるやん、と。

  ボビンケースがいらなくて、下糸の残量も見える便利な水平釜ですが、職業
  用ミシンのモーターで最高速にしてしまったら、遠心力で飛び出しちゃいま
  す。

  「お母さーん、また飛ばしてぇー!」なんて、子供にはウケるかもしれませ
  んが。

  部品の耐久力は期待できませんし、重量も足らず、振動でまともに使えませ
  ん。自家用車にレーシングカーのエンジンなんて付けられても困るように、
  何事も一長一短があるわけです。部品を換えたらいいなんて、単純にはいか
  ないのです。

  家庭用には家庭用として必要な条件があり、使いやすさと引換に、縫い能力
  の制限も出てくるのです。

  しかも忘れてはいけないのは、工業用ミシンでも家庭用ミシンでも、扱う布
  や糸は、ほとんど同じなんですよね…(もちろん例外はあります)

  能力の違うミシンで、同じ物を同じように縫えないことは予測できるでしょ
  うし、みなさんも家庭用ミシンに工業用ミシンが同じではないことはわかっ
  ていることです。なじみのない素材なら「これは縫えないだろう」と直感的
  にわかります。

  それでも、楽に縫えるかどうかの感覚は微妙なんです。
  特に「ミシンが縫ってくれる」「高いミシンだから何でも縫える」なんて思っ
  ていると、たいていユーザーの不満に繋がっています。

  難しい素材を難しいと知っているかどうか、体験として実感するか、誰かが
  教えてくれなければわかりません。


  ほんとは、家庭用ミシンでもいろいろ縫えるんです。
  革にしても、革すき機で薄くすいてあれば縫えますし、「家庭用ミシンでも
  縫える革」を販売していところもあります。

  でも、針ぐらいは交換しますよね?
  太い針を使うとか、革用と書かれている家庭用針を使うとか。

  段差が無く、平らな状態なら、少々厚くても縫えます。押え金が水平な状態
  になれば、あまり力のない家庭用ミシンであっても縫えるのです。
  このことはTVショッピングでの映像を見ていてもわかります。(デニムを、
  何枚も重ねて縫ってはいても、ジーパンの裾上げをしてる映像は見せていま
  せん)

  縫えそうな素材を選んで、縫えるような工夫や、キレイに仕上げる工夫がで
  きれば、客寄せの、値段の安いミシンでも縫えるんです。しかし、その能力
  限界を知るためには、いろいろ経験したり、知識を得ていく以外ありません。

  問題なのは「ミシンを買い換えれば縫える」と単純に考えてしまうことです。

  しかも、そういう風に説明されて、自分には不要な機能ばかりで、市場価格
  よりもすっごく高いミシンを買わされてちゃった、なんてことが起きるわけ
  です。ほんとは、「縫い能力が高いミシンが欲しかった」はずなのに。

  だからといって、家庭用ミシンも1万円ぐらいからウん十万円まであります
  が、刺繍だとか縫い目パターンが多いとか少ないとか、そんなことしか違わ
  ないかというと、そうでも無いんです。

  便利機能をとっても、価格差なりの機能を持たせた家庭用ミシンもあるので
  す。

  次回から、同じ機能名で、目に見えない違いがある例を、お伝えしたいと思
  います。

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 ■読者さんからのお便り
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  このコーナーでは、読者の皆様から寄せられたメルマガの感想を中心にご紹
  介します。全てのメールは紹介できませんが、共感していただけたことや、
  私の意見に対する補足意見など、いろいろ取り上げていきます。

  質問も含めて、たくさんのメールをいただいています。
  どうもありがとうございます。

  では、さっそくご紹介します。

  > メルマガ、拝見させていただいています。
  > ギター選びと比較して説かれていたこと、分かるような気がしますが、私
  > は下記のような経験をしました。

    ※)このときのメルマガは下記のURLに掲載しています。
    http://www.shimada-mishin.com/mailmag/backnum/20030930.html

  > 昔、専業主婦で暇つぶしに袋を縫っていた頃、9万円前後(きちんと記憶
  > してないのですが、たぶん)で買ったミシンが、ボビンケースに糸がから
  > み、1メートルも縫えたことがなかったです。何度調整しても、突然からん
  > だり、切れたりします。
  > 通販で買ったせいもあり、調子を身に来てもらうのも頼みづらく、結局、
  > 引越しのさい、処分しました。大きめで、クロゼットの邪魔者、袋1枚縫い
  > 遂げたことのない代物でした。
  > それから、ミシンという物を信用しなくなりました。

  10万円近くも出せば、家庭用ミシンとされているクラスですね。
  せっかく買っていただいたのに、使いこなせないままになってしまったのは
  なんとも悲しいです。

  「ミシンが故障しているのではなく、使い方が悪いだけなんじゃないか?」
  なんてときには、買ったわけでもないミシン屋さんには頼みづらいかもしれ
  ませんね。「こんなミシンは失敗だ、新しいのに買い換えろ」と商売されて
  もイヤですし。

  同じような経験をされている方は、案外たくさんいらっしゃるのではないで
  しょうか。

  > 10年以上経った今、僅かな暇に、布や糸や手作りのページを見て歩き、美
  > しい布やキットなど集めて楽しみ、カントリードールや室内小物を作るの
  > が、ストレス解消になっています。

  > 自分で稼いだお金は1円も無駄にできないので、新聞広告を比較検討し、
  > シンガーのミシンを、19,800円で買いました。
  > デモンストレーションに来た女性は、35万円の物をすすめ、いかに優れて
  > いるか(確かに試すと便利でした)、 19,800円のものが、いかに部品が
  > 弱く手入れが面倒で壊れやすいか力説していましたが、前述のように、小
  > 物作りの趣味のために、大枚ははたけず、安いほうを選びました。

  う〜ん、安いモノで集客、いかに使えないミシンかを説明して、高額のミシ
  ンを販売する、問題になっている商法の典型的なパターンですね。
  その35万円のものを買っていたら、もう2度とミシンを買っていただけなく
  なっていたかもしれません。賢明な選択だったと思います。

  > 結果、半年以上使っていますが、1度も理不尽な糸からみもなく、縫い目
  > が狂うこともなく、直線と縁かがりしか使わない私にはぴったりです。
  > ボビンケースという物がなくなったからでしょうか?
  > すっかりミシンが好きになりました。

  それはよかったです!
  高価なミシンに優るとも劣らない価値を見つけられたのですね。
  今では当たり前のようになりましたが、ずっとボビンケースが必要なミシン
  を使っていた方には、やはりボビンのいらない水平釜は、すごく使いやすく
  感じるでしょうね。

  > ソファカバーのような大物から、小さなドールと替え衣装、ティッシュケ
  > ースなどなど、多くの物を機嫌よく作り出してくれました。

  > マシンの仕事をする方が、より価値の高い物を推薦するのは わかるので
  > すが、ほとんどの場合、家庭でミシンを使うのは、趣味のちょっとした手
  > 作り、進歩して自分のHPを持ち手作り小物を売る、程度です。
  > 高いお金は教育費や投資に回したい、というのが現実ではないでしょうか。
  > 100万円もする液晶TVを気軽に買える人は別ですが(そうなりたい・・)

  > デフレで物が安くなった現代だからこそ、
  > 自立してお金の大切さが身にしみた自分だからこそ、
  > 適正価格という事をつくづく考えてしまいます。

  お金は、モノの価値を測る物差しなのに、デフレが進んだ今は、何を基準に
  したらいいのか見えなくなってしまいました。
  今回、「相場観」のことに少しだけ触れましたが、正直、価格は「メーカー
  や販売店が感じている相場観」でしかないと感じています。

  ミシンはなんと言っても、不定型な布や糸を扱う道具にすぎません。
  その布や糸も発達し、ピンからキリまであるのが実情です。
  そしてそれを扱うミシンは、非常に高度なことを求められているにも関わら
  ず、何でも簡単にできそうにアピールされています。

  縫製の難しさを伝えてしまうと、使う人が減ってしまいます。
  結果、ミシンはブラックボックスのようになってしまいました。

  どうして「縫えないのか」がわからない、
  どうして「縫えるのか」もわからない状態です。

  既製品を作る現場のミシンをよく知る者の立場から、
  縫製やミシンのことを知ってもらうことで、
  ミシンがブラックボックスでなくなればいいな、と思ってます。

  このようなご意見がメルマガを支えてくれています。
  失ったミシンの信用を、少しでも回復できるようなメルマガにしたいです。
  これからもどうぞ、よろしくお願いします!

  ◆ご意見・ご質問・体験談など、どんな些細なことでもかまいませんので、
   メールをください。おもしろいと思ったものは、このメルマガでご紹介し
   たいと思います。
   → mag@shimada-mishin.com

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ミ シ ン の 『 そうだったのか! 』
 〜 ミシンの嘘・ホント、それって常識?!

【発行者】島田ミシン商会 嶋田栄司
【WEBサイト】島田ミシン商会 http://www.shimada-mishin.com/
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編┃集┃後┃記┃
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  15年来の友人の結婚披露宴に行ってきました。
  土地柄があって、おもしろいもんです。

  愛媛県では和太鼓をたたく風習みたいなのがあるんでしょうか?
  隣の披露宴会場からも聞こえていました。

  徳島は披露宴の最後に万歳をするんですよね。
  鳴門市が「赤飯に砂糖をかける」こと以来のトリビアでした。

  わが香川県では必ず、新郎が「手打ちうどん」を打ってふるまうんですよ!



  …というのはウソです。
  あっ、でも一部地域では、そんな風習があったかも?!

  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
  次回は11月11日の発行予定です。ではでは。

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